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各学年から

9月18日は敬老の日です

学校行事のスケジュール欄にも載せましたが、9月18日は敬老の日(国民の祝日)で学校はお休みとなります。

敬老の日は、お年寄りをうやまい、長生きをお祝いする日です。

毎年、9月の第三月曜日と法律で決まっています。

誰でも年をとると体力がおとろえてきて、早く動くことが難しくなったり、視力や聴力が落ちてきたりします。骨ももろくなってひじやひざなどがいたくなったりもします。長いことがんばってきたあかしですね。ですから、その長年がんばってきたことをたたえ、お祝いする日となっています。

 

〈お祝いの年齢〉

還暦→60歳

古希→かぞえの年で70歳(唐の詩人杜甫が詠んだ詩「人生七十古来稀なり」に由来しています)

喜寿→かぞえの年で77歳(喜を崩した漢字 㐂 が七を重ねたように見えることから)

傘寿→かぞえの年で80歳(傘の略字 仐を分解すると 八 と 十 になることから)

米寿→かぞえの年で88歳(米の漢字を分解すると 八 十 八 になることから

卒寿→かぞえの年で90歳(卒の略字 卆を分解すると 九 と 十 になることから

白寿→かぞえの年で99歳(百から一をひくと九十九だから)

百寿→かぞえの年で100歳

 

※かぞえ年とは

生まれた年を一さいとして、新年をむかえるたびに一をたす、年の数え方です。

国語の教科書から

昨日は4年生のごんぎつねでしたが、今日は6年生の国語の教科書から、こちらも広く知られている作品で、宮沢賢治の『やまなし』です。小学生のときに読んで、すごく衝撃的だったことを今でも覚えています。こちらも著作権フリーの青空文庫からの引用です。

 

『やまなし』宮沢賢治


+目次

 小さな谷川(たにがわ)の底を写した二枚の青い幻燈(げんとう)です。

一、五月

 二疋(にひき)の蟹(かに)の子供らが青じろい水の底(そこ)で話していました。
『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『クラムボンは跳(は)ねてわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
 上の方や横の方は、青くくらく鋼(はがね)のように見えます。そのなめらかな天井(てんじょう)を、つぶつぶ暗い泡(あわ)が流れて行きます。
『クラムボンはわらっていたよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』
『それならなぜクラムボンはわらったの。』
『知らない。』
 つぶつぶ泡が流れて行きます。蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六粒(つぶ)泡を吐はきました。それはゆれながら水銀のように光って斜(なな)めに上の方へのぼって行きました。
 つうと銀のいろの腹をひるがえして、一疋の魚が頭の上を過ぎて行きました。
『クラムボンは死んだよ。』
『クラムボンは殺されたよ。』
『クラムボンは死んでしまったよ………。』
『殺されたよ。』
『それならなぜ殺された。』兄さんの蟹は、その右側の四本の脚(あし)の中の二本を、弟の平べったい頭にのせながら云いいました。
『わからない。』
 魚がまたツウと戻もどって下流のほうへ行きました。
『クラムボンはわらったよ。』
『わらった。』
 にわかにパッと明るくなり、日光の黄金(きん)は夢(ゆめ)のように水の中に降って来ました。
 波から来る光の網(あみ)が、底の白い磐(いわ)の上で美しくゆらゆらのびたりちぢんだりしました。泡や小さなごみからはまっすぐな影(かげ)の棒が、斜めに水の中に並(なら)んで立ちました。
 魚がこんどはそこら中の黄金(きん)の光をまるっきりくちゃくちゃにしておまけに自分は鉄いろに変に底びかりして、又また上流(かみ)の方へのぼりました。
『お魚はなぜああ行ったり来たりするの。』
 弟の蟹がまぶしそうに眼(め)を動かしながらたずねました。
『何か悪いことをしてるんだよとってるんだよ。』
『とってるの。』
『うん。』
 そのお魚がまた上流(かみ)から戻って来ました。今度はゆっくり落ちついて、ひれも尾(お)も動かさずただ水にだけ流されながらお口を環(わ)のように円(まる)くしてやって来ました。その影は黒くしずかに底の光の網の上をすべりました。
『お魚は……。』
 その時です。俄(にわ)かに天井に白い泡がたって、青びかりのまるでぎらぎらする鉄砲弾(てっぽうだま)のようなものが、いきなり飛込(とびこ)んで来ました。
 兄さんの蟹ははっきりとその青いもののさきがコンパスのように黒く尖(とが)っているのも見ました。と思ううちに、魚の白い腹がぎらっと光って一ぺんひるがえり、上の方へのぼったようでしたが、それっきりもう青いものも魚のかたちも見えず光の黄金(きん)の網はゆらゆらゆれ、泡はつぶつぶ流れました。
 二疋はまるで声も出ず居すくまってしまいました。
 お父さんの蟹が出て来ました。
『どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。』
『お父さん、いまおかしなものが来たよ。』
『どんなもんだ。』
『青くてね、光るんだよ。はじがこんなに黒く尖ってるの。それが来たらお魚が上へのぼって行ったよ。』
『そいつの眼が赤かったかい。』
『わからない。』
『ふうん。しかし、そいつは鳥だよ。かわせみと云うんだ。大丈夫だいじょうぶだ、安心しろ。おれたちはかまわないんだから。』
『お父さん、お魚はどこへ行ったの。』
『魚かい。魚はこわい所へ行った』
『こわいよ、お父さん。』
『いいいい、大丈夫だ。心配するな。そら、樺(かば)の花が流れて来た。ごらん、きれいだろう。』
 泡と一緒いっしょに、白い樺の花びらが天井をたくさんすべって来ました。
『こわいよ、お父さん。』弟の蟹も云いました。
 光の網はゆらゆら、のびたりちぢんだり、花びらの影はしずかに砂をすべりました。


二、十二月

 蟹の子供らはもうよほど大きくなり、底の景色(けしき)も夏から秋の間にすっかり変わりました。
 白い柔やわらかな円石(まるいし)もころがって来、小さな錐(きり)の形の水晶すいしょうの粒や、金雲母(きんうんも)のかけらもながれて来てとまりました。
 そのつめたい水の底まで、ラムネの瓶びんの月光がいっぱいに透すきとおり天井では波が青じろい火を、燃したり消したりしているよう、あたりはしんとして、ただいかにも遠くからというように、その波の音がひびいて来るだけです。
 蟹の子供らは、あんまり月が明るく水がきれいなので睡(ねむ)らないで外に出て、しばらくだまって泡をはいて天上の方を見ていました。
『やっぱり僕ぼくの泡は大きいね。』
『兄さん、わざと大きく吐(は)いてるんだい。僕だってわざとならもっと大きく吐けるよ。』
『吐いてごらん。おや、たったそれきりだろう。いいかい、兄さんが吐くから見ておいで。そら、ね、大きいだろう。』
『大きかないや、おんなじだい。』
『近くだから自分のが大きく見えるんだよ。そんなら一緒に吐いてみよう。いいかい、そら。』
『やっぱり僕の方大きいよ。』
『本当かい。じゃ、も一つはくよ。』
『だめだい、そんなにのびあがっては。』
 またお父さんの蟹が出て来ました。
『もうねろねろ。遅(おそ)いぞ、あしたイサドへ連れて行かんぞ。』
『お父さん、僕たちの泡どっち大きいの』
『それは兄さんの方だろう』
『そうじゃないよ、僕の方大きいんだよ』弟の蟹は泣きそうになりました。
 そのとき、トブン。
 黒い円い大きなものが、天井から落ちてずうっとしずんで又上へのぼって行きました。キラキラッと黄金きんのぶちがひかりました。
『かわせみだ』子供らの蟹は頸くびをすくめて云いました。
 お父さんの蟹は、遠めがねのような両方の眼をあらん限り延ばして、よくよく見てから云いました。
『そうじゃない、あれはやまなしだ、流れて行くぞ、ついて行って見よう、ああいい匂においだな』
 なるほど、そこらの月あかりの水の中は、やまなしのいい匂いでいっぱいでした。
 三疋はぼかぼか流れて行くやまなしのあとを追いました。
 その横あるきと、底の黒い三つの影法師(かげぼうし)が、合せて六つ踊(おど)るようにして、やまなしの円い影を追いました。
 間もなく水はサラサラ鳴り、天井の波はいよいよ青い焔(ほのお)をあげ、やまなしは横になって木の枝(えだ)にひっかかってとまり、その上には月光の虹(にじ)がもかもか集まりました。
『どうだ、やっぱりやまなしだよ、よく熟している、いい匂(にお)いだろう。』
『おいしそうだね、お父さん』
『待て待て、もう二日ばかり待つとね、こいつは下へ沈(しず)んで来る、それからひとりでにおいしいお酒ができるから、さあ、もう帰って寝(ね)よう、おいで』
 親子の蟹は三疋自分等らの穴に帰って行きます。
 波はいよいよ青じろい焔をゆらゆらとあげました、それは又金剛石(こんごうせき)の粉をはいているようでした。

        *

 私の幻燈(げんとう)はこれでおしまいであります。

 

青空文庫 https://www.aozora.gr.jp/

国語の教科書から

秋の夜長に、お話しをひとつ親子で読んでみてはいかがでしょうか。

4年生の国語の時間に学習している、新見南吉さん著の『ごんぎつね』です。

著作権フリーの青空文庫からの引用です。懐かしいなぁという方も、初めての方も、ぜひ。

 

『ごんぎつね』 新見南吉    

 これは、私わたしが小さいときに、村の茂平(もへい)というおじいさんからきいたお話です。
 むかしは、私たちの村のちかくの、中山(なかやま)というところに小さなお城があって、中山さまというおとのさまが、おられたそうです。
 その中山から、少しはなれた山の中に、「ごんぎつね」というきつねがいました。ごんは、一人ひとりぼっちの小ぎつねで、しだの一ぱいしげった森の中に穴をほって住んでいました。そして、夜でも昼でも、あたりの村へ出てきて、いたずらばかりしました。はたけへ入って芋(いも)をほりちらしたり、菜種(なたね)がらの、ほしてあるのへ火をつけたり、百姓家(ひゃくしょうや)の裏手(うらて)につるしてあるとんがらしをむしりとっていったり、いろんなことをしました。
 ある秋(あき)のことでした。二、三日雨がふりつづいたその間(あいだ)、ごんは、外へも出られなくて穴(あな)の中にしゃがんでいました。
 雨があがると、ごんは、ほっとして穴からはい出ました。空はからっと晴れていて、百舌鳥(もず)の声がきんきん、ひびいていました。
 ごんは、村の小川のつつみまで出て来ました。あたりの、すすきの穂(ほ)には、まだ雨のしずくが光っていました。川は、いつもは水が少すくないのですが、三日もの雨で、水が、どっとましていました。ただのときは水につかることのない、川べりのすすきや、萩(はぎ)の株(かぶ)が、きいろくにごった水に横だおしになって、もまれています。ごんは川下(かわしも)の方へと、ぬかるみみちを歩いていきました。
 ふと見ると、川の中に人がいて、何かやっています。ごんは、見つからないように、そうっと草の深いところへ歩きよって、そこからじっとのぞいてみました。
「兵十(ひょうじゅう)だな」と、ごんは思いました。兵十はぼろぼろの黒いきものをまくし上げて、腰(こし)のところまで水にひたりながら、魚をとる、はりきりという、網(あみ)をゆすぶっていました。はちまきをした顔の横っちょうに、まるい萩の葉が一まい、大きな黒子(ほくろ)みたいにへばりついていました。
 しばらくすると、兵十は、はりきり網の一ばんうしろの、袋(ふくろ)のようになったところを、水の中からもちあげました。その中には、芝の根や、草の葉や、くさった木ぎれなどが、ごちゃごちゃはいっていましたが、でもところどころ、白いものがきらきら光っています。それは、ふというなぎの腹や、大きなきすの腹でした。兵十は、びくの中へ、そのうなぎやきすを、ごみと一しょにぶちこみました。そして、また、袋の口をしばって、水の中へ入れました。
 兵十はそれから、びくをもって川から上あがりびくを土手どてにおいといて、何をさがしにか、川上かわかみの方へかけていきました。
 兵十がいなくなると、ごんは、ぴょいと草の中からとび出して、びくのそばへかけつけました。ちょいと、いたずらがしたくなったのです。ごんはびくの中の魚をつかみ出しては、はりきり網のかかっているところより下手しもての川の中を目がけて、ぽんぽんなげこみました。どの魚も、「とぼん」と音を立てながら、にごった水の中へもぐりこみました。
 一ばんしまいに、太いうなぎをつかみにかかりましたが、何しろぬるぬるとすべりぬけるので、手ではつかめません。ごんはじれったくなって、頭をびくの中につッこんで、うなぎの頭を口にくわえました。うなぎは、キュッと言ってごんの首へまきつきました。そのとたんに兵十が、向うから、
「うわあぬすっときつねめ」と、どなりたてました。ごんは、びっくりしてとびあがりました。うなぎをふりすててにげようとしましたが、うなぎは、ごんの首にまきついたままはなれません。ごんはそのまま横っとびにとび出して一しょうけんめいに、にげていきました。
 ほら穴の近くの、はんの木の下でふりかえって見ましたが、兵十は追っかけては来ませんでした。
 ごんは、ほっとして、うなぎの頭をかみくだき、やっとはずして穴のそとの、草の葉の上にのせておきました。

 十日(とおか)ほどたって、ごんが、弥助(やすけ)というお百姓の家の裏を通りかかりますと、そこの、いちじくの木のかげで、弥助の家内(かない)が、おはぐろをつけていました。鍛冶屋(かじや)の新兵衛(しんべえ)の家のうらを通ると、新兵衛の家内が髪(かみ)をすいていました。ごんは、
「ふふん、村に何かあるんだな」と、思いました。
「何なんだろう、秋祭(あきまつり)かな。祭なら、太鼓や笛の音がしそうなものだ。それに第一、お宮(みや)にのぼりが立つはずだが」
 こんなことを考えながらやって来ますと、いつの間まにか、表に赤い井戸のある、兵十の家の前へ来ました。その小さな、こわれかけた家の中には、大勢(おおぜい)の人があつまっていました。よそいきの着物を着て、腰に手拭(てぬぐ)いをさげたりした女たちが、表のかまどで火をたいています。大きな鍋(なべ)の中では、何かぐずぐず煮えていました。
「ああ、葬式(そうしき)だ」と、ごんは思いました。
「兵十の家のだれが死んだんだろう」
 お午ひるがすぎると、ごんは、村の墓地(ぼち)へ行って、六地蔵(ろくじぞう)さんのかげにかくれていました。いいお天気で、遠く向うには、お城の屋根瓦(やねがわら)が光っています。墓地には、ひがん花ばなが、赤い布きれのようにさきつづいていました。と、村の方から、カーン、カーン、と、鐘(かね)が鳴って来ました。葬式の出る合図(あいず)です。
 やがて、白い着物を着た葬列のものたちがやって来るのがちらちら見えはじめました。話声(はなしごえ)も近くなりました。葬列は墓地へはいって来ました。人々が通ったあとには、ひがん花が、ふみおられていました。
 ごんはのびあがって見ました。兵十が、白いかみしもをつけて、位牌(いはい)をささげています。いつもは、赤いさつまいもみたいな元気のいい顔が、きょうは何だかしおれていました。
「ははん、死んだのは兵十のおっ母かあだ」
 ごんはそう思いながら、頭をひっこめました。
 その晩、ごんは、穴の中で考えました。
「兵十のおっ母は、床とこについていて、うなぎが食べたいと言ったにちがいない。それで兵十がはりきり網をもち出したんだ。ところが、わしがいたずらをして、うなぎをとって来てしまった。だから兵十は、おっ母にうなぎを食べさせることができなかった。そのままおっ母は、死んじゃったにちがいない。ああ、うなぎが食べたい、うなぎが食べたいとおもいながら、死んだんだろう。ちょッ、あんないたずらをしなけりゃよかった。」

 兵十が、赤い井戸のところで、麦をといでいました。
 兵十は今まで、おっ母と二人ふたりきりで、貧(まず)しいくらしをしていたもので、おっ母が死んでしまっては、もう一人ぼっちでした。
「おれと同じ一人ぼっちの兵十か」
 こちらの物置ものおきのうしろから見ていたごんは、そう思いました。
 ごんは物置のそばをはなれて、向うへいきかけますと、どこかで、いわしを売る声がします。
「いわしのやすうりだアい。いきのいいいわしだアい」
 ごんは、その、いせいのいい声のする方へ走っていきました。と、弥助(やすけ)のおかみさんが、裏戸口(うらとぐち)から、
「いわしをおくれ。」と言いました。いわし売うりは、いわしのかごをつんだ車を、道ばたにおいて、ぴかぴか光るいわしを両手でつかんで、弥助の家の中へもってはいりました。ごんはそのすきまに、かごの中から、五、六ぴきのいわしをつかみ出して、もと来た方へかけだしました。そして、兵十の家の裏口から、家の中へいわしを投げこんで、穴へ向むかってかけもどりました。途中の坂の上でふりかえって見ますと、兵十がまだ、井戸のところで麦をといでいるのが小さく見えました。
 ごんは、うなぎのつぐないに、まず一つ、いいことをしたと思いました。
 つぎの日には、ごんは山で栗くりをどっさりひろって、それをかかえて、兵十の家へいきました。裏口からのぞいて見ますと、兵十は、午飯ひるめしをたべかけて、茶椀(ちゃわん)をもったまま、ぼんやりと考えこんでいました。へんなことには兵十の頬ほっぺたに、かすり傷がついています。どうしたんだろうと、ごんが思っていますと、兵十がひとりごとをいいました。
「一たいだれが、いわしなんかをおれの家へほうりこんでいったんだろう。おかげでおれは、盗人(ぬすびと)と思われて、いわし屋のやつに、ひどい目にあわされた」と、ぶつぶつ言っています。
 ごんは、これはしまったと思いました。かわいそうに兵十は、いわし屋にぶんなぐられて、あんな傷までつけられたのか。
 ごんはこうおもいながら、そっと物置の方へまわってその入口に、栗をおいてかえりました。
 つぎの日も、そのつぎの日もごんは、栗をひろっては、兵十の家へもって来てやりました。そのつぎの日には、栗ばかりでなく、まつたけも二、三ぼんもっていきました。

 月のいい晩でした。ごんは、ぶらぶらあそびに出かけました。中山さまのお城の下を通ってすこしいくと、細い道の向うから、だれか来るようです。話声が聞えます。チンチロリン、チンチロリンと松虫が鳴いています。
 ごんは、道の片がわにかくれて、じっとしていました。話声はだんだん近くなりました。それは、兵十と加助かすけというお百姓でした。
「そうそう、なあ加助」と、兵十がいいました。
「ああん?」
「おれあ、このごろ、とてもふしぎなことがあるんだ」
「何が?」
「おっ母が死んでからは、だれだか知らんが、おれに栗やまつたけなんかを、まいにちまいにちくれるんだよ」
「ふうん、だれが?」
「それがわからんのだよ。おれの知らんうちに、おいていくんだ」
 ごんは、ふたりのあとをつけていきました。
「ほんとかい?」
「ほんとだとも。うそと思うなら、あした見に来こいよ。その栗を見せてやるよ」
「へえ、へんなこともあるもんだなア」
 それなり、二人はだまって歩いていきました。
 加助がひょいと、後うしろを見ました。ごんはびくっとして、小さくなってたちどまりました。加助は、ごんには気がつかないで、そのままさっさとあるきました。吉兵衛きちべえというお百姓の家まで来ると、二人はそこへはいっていきました。ポンポンポンポンと木魚もくぎょの音がしています。窓の障子しょうじにあかりがさしていて、大きな坊主頭(ぼうずあたま)がうつって動いていました。ごんは、
「おねんぶつがあるんだな」と思いながら井戸のそばにしゃがんでいました。しばらくすると、また三人ほど、人がつれだって吉兵衛の家へはいっていきました。お経を読む声がきこえて来ました。

 ごんは、おねんぶつがすむまで、井戸のそばにしゃがんでいました。兵十と加助は、また一しょにかえっていきます。ごんは、二人の話をきこうと思って、ついていきました。兵十の影法師(かげぼうし)をふみふみいきました。
 お城の前まで来たとき、加助が言い出しました。
「さっきの話は、きっと、そりゃあ、神さまのしわざだぞ」
「えっ?」と、兵十はびっくりして、加助の顔を見ました。
「おれは、あれからずっと考えていたが、どうも、そりゃ、人間じゃない、神さまだ、神さまが、お前がたった一人になったのをあわれに思わっしゃって、いろんなものをめぐんで下さるんだよ」
「そうかなあ」
「そうだとも。だから、まいにち神さまにお礼を言うがいいよ」
「うん」
 ごんは、へえ、こいつはつまらないなと思いました。おれが、栗や松たけを持っていってやるのに、そのおれにはお礼をいわないで、神さまにお礼をいうんじゃア、おれは、引き合わないなあ。

 そのあくる日もごんは、栗をもって、兵十の家へ出かけました。兵十は物置で縄なわをなっていました。それでごんは家の裏口から、こっそり中へはいりました。
 そのとき兵十は、ふと顔をあげました。ときつねが家の中へはいったではありませんか。こないだうなぎをぬすみやがったあのごんぎつねめが、またいたずらをしに来たな。
「ようし。」
 兵十は立ちあがって、納屋なやにかけてある火縄銃(ひなわじゅう)をとって、火薬(かやく)をつめました。
 そして足音をしのばせてちかよって、今戸口を出ようとするごんを、ドンと、うちました。ごんは、ばたりとたおれました。兵十はかけよって来ました。家の中を見ると、土間(どま)に栗が、かためておいてあるのが目につきました。
「おや」と兵十は、びっくりしてごんに目を落しました。
「ごん、お前まいだったのか。いつも栗をくれたのは」
 ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなずきました。
 兵十は火縄銃をばたりと、とり落しました。青い煙が、まだ筒口(つつぐち)から細く出ていました。

 

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クラブ活動

今日は4年生以上はクラブ活動の時間がありました。

それぞれのクラブに分かれて活動を行います。普段の教室を離れて、違う仲間と楽しく過ごす貴重な時間です。

科学クラブではバスボムをつくりました。きれいな色で完成させることができました。

 

体育朝会

まだまだ暑い日が続きますが、朝から全校で運動会練習です。短い時間で区切って水分補給をしながら行進や入退場の練習に取り組みました。1年生にとっては最初の、6年生にとっては最後の運動会です。それぞれひとりひとりが目標を持って種目や係活動をがんばっています。

運動会練習

運動会本番まで楽しみは取っておくことにして、遠くから一枚。毎日一生懸命練習をして本番に備えます。どの学年も真剣に取り組んでいます。ぜひ楽しみにしていてください。

 

日本語教室から

毎日、日本語教室ではレベルに分かれて授業を行っています。あいさつから、漢字まで、少しでも早く思い通りに話したり書いたりできるようになるといいですね。

 

 

【今日は何の日】

〇宇宙の日

日本の科学技術庁(現:文部科学省)と文部省・宇宙科学研究所(現:国立研究開発法人・宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所)が1992年(平成4年)に制定しました。1992年は、世界中が協力して宇宙や地球環境について考えようという「国際宇宙年」(International Space Year:ISY)にあたる年でした。これをきっかけに記念日が制定され、日づけはひろく一般からの公募で決められたそうです。

 

いただきます

今日もおいしい給食いただきます!

上手に配膳をして、静かに待って、そろって『いただきます。』読書の秋の次は食欲の秋です。たくさん食べて元気に勉強、運動。今月末の運動会に向けて練習もがんばっています。

読書の秋です

台風13号も過ぎ去り、穏やかな秋晴れが広がっています。さわやかな風も吹き始めました。

秋といえば読書の秋。芝富士っ子も朝から静かに読書にいそしんでいます。

【ことば】なぜ読書の秋と言われるようになったのか

読書の秋とは、暑い夏が過ぎ涼しくなった秋に、その過ごしやすさを表すために使われることが多いです。由来はというと、およそ8世紀頃、唐王朝の時代に活躍した中国の韓愈(かんゆ)という詩人が、自著「符読書城南詩」の中に記した、「時秋積雨霽 新涼入郊墟 燈火稍可親 簡編可卷舒」(秋になり、長雨が終わって空も晴れ、涼しさが丘陵にも来ている。ようやく夜の灯に親しみながら書物を広げられることができるようになった。)という詩からきているといわれています。

この詩を、『坊ちゃん』『吾輩は猫である』で有名な松山の文豪、夏目漱石が1908年に発表した『三四郎』という小説のなかで引用したことで、秋は読書をする!というイメージが一気に広まり、「読書の秋」という言葉が定着した、という説が有力となっています。(所説あり)

夜が長くなって本と親しみやすい季節です。みなさんも一冊ぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか。

台風13号接近に伴う一斉下校について

メールにてお知らせいたしましたが、本日は台風13号接近に伴いまして、本校では一斉下校を実施いたします。

低学年、高学年に分かれて下校となりますので、時間等はメールをご覧の上、保護者の皆様も気をつけて来校をお願いします。なお、校舎内には入ることができませんので重ねてよろしくお願いいたします。

台風13号接近についてのお知らせ

本日メールでもお知らせしましたが、本校では、台風13号の接近にともなう明日、9月8日(金)の登下校に際して、児童の安全を第一に以下の4点のように対応いたします。

1 明日、9月8日(金)の登校時刻は通常通りです。ただし、登校時刻に風雨が強い場合は、無理をせずに保護者の判断で登校を遅らせてかまいません。この場合には、遅刻の扱いにはいたしません。また、必要に応じて、保護者の引率をお願いします。

2 遅れて登校する場合には、Formsにてお知らせください。

3 登校に際しては、安全に十分留意するようお願いします。

4 下校時に風雨が強い場合、一時的に学校に児童を留め置く場合があります。その場合には、改めてメールにてご連絡いたします。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

【台風とは】 

小学校では5年生の理科の授業で学習します、夏から秋にかけて数多く発生する台風は、日本から遠く、南に離れた赤道(せきどう)に近いあたたかい海で発生します。南のあたたかい海は、水の温度も高いことから、雲のもとになる水蒸気(すいじょうき)ができやすいといわれています。
たくさんの水蒸気が集まってできた雲は、雲どうしが近づいてくっつきながら、どんどん大きくなっていき、うずまき状の大きな雲のかたまりになっていきます。そして、その雲のまわりの風の強さが10分間の平均で「1秒間に17m進む速さ」(17m/s 34ノット 風力8)以上になったものを「台風」とよびます。
今回の台風もかなり勢力の強い台風だと言われています。また、台風が過ぎたあとは猛烈な暑さが戻ってくると言われています。ご家庭でも十分に注意して過ごすようによろしくお願いします。

小さな自分のお気に入り

今日は普段と比べて少し暑さも和らいだこともあり、涼しい時間に外での活動です。

3年生の図工の授業一コマです。学校の中での自分のお気に入りの場所を見つけて、そこにラミネートされた、『小さな自分』を置いて、それをタブレットを使って撮影します。様々なところに置いてみたり、横にしたり縦にしたり、友だちと一緒に撮影したり…子どものアイディアはすごい!出来上がりが楽しみです。

 

   

           

明日から2学期開始です

明日、9月1日から令和5年度2学期が始まります。

明日は六曜でいうと『大安』にあたり、六曜の中で一番の『吉』の日で、何をするにも縁起の良い日とされています。もちろん普段の生活の中では今ではあまり意識することのない六曜ですが、結婚式などの冠婚葬祭(かんこんそうさい)を行うときには意識するもので、「先勝 → 友引 → 先負 → 仏滅 → 大安 → 赤口」の順に繰り返されます。

六曜の始まりには諸説ありますが、中国で発祥し、日本には14世紀ごろに伝わって、江戸時代に流行したと言われています。

 

また、旧暦では9月は長月(ながつき)と呼ばれますが、秋が深まると日が暮れるのが早くなるため、夜が長い月という「夜長月(よながづき)」が略されて、「長月」となったといわれています。あくまでも旧暦ですので、今の暦に当てはめると10月ごろと少しずれますが、覚えておくと何かの際に役に立つかもしれませんね。

 

英語では「9月」はSeptemberと書きます。Sept.と省略することもあります。

よく見ると、『Septem』の部分と『Seven』って、なんとなく似ていませんか?

そう、もともとは、Septemberは「7番目の月」という意味だったそうです。

日本と違い、大昔に使われていた旧ローマ暦(世界には様々な暦がありますね)では、春を一年の始まりと考えて、3月から数え始めていたため、現在の月と2か月ずれているそうです。

9月についてのお話でしたが、初日から良いスタートをきって、素晴らしい2学期の始まりにしましょう。

 

【今日は何の日】

〇野菜の日

日付けのごろ合わせで 

や(8) さ(3) い(1)

と読むことから1983年(昭和58年)に全国青果物商業協同組合連合会(全青連)など9団体の関係組合が野菜の日と制定したそうです。普段から栄養のある野菜をとっていると思いますが、給食をはじめとして好ききらいなくたくさん食べられるとよいですね。

 

サマースクール3日目

サマースクールも本日が最終日。教科学習だけでなく、様々な分野のいわば『お楽しみ』が今日はありました。

 

①1年生は初めてのタブレット学習です。まずはログインから。2学期からの使用が楽しみですね。

    

②4年生の、オンラインで指導を受けながらのまがたまづくりです。

③ボッチャ体験もみんな楽しそう!

④体育館では科学館より講師の先生をお招きして、サイエンススクールが開催されました。

⑤書写ではわらい文字を学び、年賀状に使えそうです。力作ぞろいでとても素晴らしい作品だらけでした。

          

⑥みどりの絵も描きました。

 

盛りだくさんの内容に、参加した子どもたちもとても満足した顔で下校していきました。ぜひ学んだことを活かして2学期も楽しく学校生活を送っていきましょう。

サマースクール2日目

昨日に引き続き、本日もサマースクールが開催されました。

子どもたちは、朝早くからみっちりと学習をし、満足した顔で下校していくことができていました。

明日が最終日となりますが、しっかりと学びを深めましょう。また、最終日は教科学習だけでなく様々な種類の教室が用意されていますので、お楽しみに。

 

【今日は何の日】

〇民放テレビスタートの日

昭和28年(1953年)に日本テレビが民間放送として初のテレビ放送を開始した日です。日本初のテレビCMが流れたのも同じ8月28日で、今日は『テレビCMの日』でもあります。ちなみに日本放送協会が日本初のテレビ放送を開始したのは同年の2月1日だそうです。

 

8月27日 親子地域ぴかぴか大作戦

夏休み最後の日曜日、夏の日差しの下、朝からたくさんの保護者のみなさま、児童のみなさんの参加ありがとうございました。夏休みの間に伸びてきた草などを刈ったり、側溝をきれいにしたりと、普段できないところをぴかぴかにしてもらいました。久しぶりに会った子どもたちの笑顔に教職員も元気をもらいました。金曜日からはいよいよ2学期のスタートです。体調を整えて新学期に備えましょう。

夏といえば

夏といえば?

様々なことをイメージする方も多いと思いますが、夏に関することをいくつか調べてみました。

 

①花火大会

感染症防止対策でここ何年かは開催が控えられていましたが、今年は全国津々浦々で花火大会が行われています。

そんな花火大会ですが、日本で初めて花火が打ち上げられたのは1733年の隅田川花火だと言われています。

ききんや伝染病で多くの人が亡くなっていた江戸時代に、その人々をとむらう意味で、「水上祭」として始まったと言われています。

手先の器用な日本の職人さんがつくる、途中で色の変わる花火は日本独自のもののようで、風情を感じますね。

 

②お盆

お盆とは、ご先祖さまの霊をまつり、お迎えして感謝を表す日です。一般的には8月中旬に行われることが多く、一部の地域では7月中旬に行われているところもあります。もともとは仏教用語で『盂蘭盆会』~うらぼんえ~と呼ばれていました。先祖の霊が迷わずかえってこられるように迎え火を焚き、お盆の終わりには送り火で先祖の霊を送り出すという、夏の風物詩です。

 

③入道雲

まさに『夏!』といったもくもくと広がった入道雲を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

小学校では理科の学習で雲の形を学びます。様々な表情を見せる雲ですが、その中でも入道雲は特徴的で、記憶に残る雲ですね。ちなみに名前の由来は『坊主頭の妖怪』からきているそうですよ。

 

④ひまわり

花言葉は『あなたを見つめる』。夏の強い日差しに立ち向かうような姿に思わずはっとさせられるひまわりも夏の風物詩ですね。

英名『sunflower』、学名は『太陽の花』という意味を持ち、ゴッホやゴーギャンをはじめとする様々な芸術家の心を魅了してきた花です。ひまわりは、日本語で漢字にすると「向日葵」のほかに「日廻り」や「日回り」と表記されることもありますが、これは、太陽に向かって成長するひまわりの「向日性」を表した名前だったのです。まさに夏の太陽を象徴する花といえますね。

夏について調べてみました。みなさんもいろいろと調べてみるのも楽しいと思います。もう少しで夏休みも終わりとなりますが、全員元気で登校しましょうね。

暑い日が続いています。

お盆を過ぎましたが毎日暑い日が続いています。お出かけになるご家庭も多いと思いますが、熱中症には十分に気をつけて、早めでこまめな水分補給と、首の後ろを冷やしたり、クーラーの温度を普段より1度下げてみるなどの工夫をして快適に過ごしましょう。

環境省熱中症予防サイト

https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness.php

 

日本気象協会推進

https://www.netsuzero.jp/learning/le02

夏休みももう少しで終わりですね。

長かった夏休みもあと10日ほどを残すだけとなりました。夏休みの思い出はたくさんつくることができましたか?宿題は順調に進んでいますか。いまだ猛暑が続いていますが体調に気をつけて2学期に備えましょう。

夏休み自由課題一覧

夏休みの自由課題の一覧です。

  コンクール・展覧会名 備考
川口市防火ポスターコンクール  
夏休み犬の絵コンクール  
「身近な生き物」絵画コンクール  
「WE LOVE トンボ」絵画コンクール  
川口市立科学館20周年記念「未来の科学館」絵画コンクール  
全国おじいちゃんおばあちゃん子ども絵画展  
明るい選挙啓発ポスターコンクール  
全国児童画コンクール  
ゆうちょアイディア貯金箱  
10 明るい選挙啓発書道作品  
11 JA共済全国小・中学校書道コンクール  
12 明るい選挙啓発標語作品  
13 「木のあるくらし」作文コンクール  
14 発明創意工夫展  
15 読書感想文コンクール  
16 小・中学校 科学展  
17 みどりの絵のコンクール サマースクールで実施